最近、4Kテレビの価格も安くなり、そろそろ4K放送を観ようかとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ほとんどの家電製品は、新しい商品を取り付ければサービスが楽しめます。しかし、4Kテレビは、テレビだけでは4K放送を楽しめません。
この記事では、4K放送を楽しむために必要になる設備をすべて紹介します。ぜひ、最後までご覧ください。
4K放送を観るためには設備の交換が必要
新4K8K衛星放送による4K放送をすべて楽しむためには、アンテナを含めた設備の交換が必要です。その理由は、新4K8K衛星放送により放送の方式が新しくなり、アンテナからテレビまでの電波の周波数が高くなったからです。
詳細については、次の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
4K放送を視聴するめに必要になる設備をそれぞれ紹介
画像引用:総務省「新4K8K衛星放送を受信するには」
先に紹介した記事の通り、新4K8K衛星放送では従来の右旋(右旋円偏波)の電波に加え、左旋(左旋円偏波)の電波を使うようになりました。従来のBSアンテナは右旋の電波を受信するように設計されているので、左旋の電波は受信できません。
アンテナ以外の設備については、従来、2071MHzまでの周波数に対応していればよかったものが、左旋の電波に適用するため、3244MHzの電波まで対応しなければならなくなったことが理由です。ここでは、4K放送を視聴するために必要となる設備をそれぞれ紹介していきます。
アンテナ
新4K8K衛星放送を受信するためには、「BS・110度CSアンテナ」が必要です。このアンテナは、BS(放送衛星)・CS(通信衛星)から送られてくる12GHzの電波を受信するために必要です。従来のBS放送は、右旋の電波だけを受信できれば放送を観られました。しかし、新4K8K衛星放送は右旋と左旋の電波を使っているため、右旋・左旋の両方に対応するアンテナが必要になります。
アンテナケーブル
アンテナで受信された4K放送の電波は、アンテナのコンバーターという装置で周波数が変換されます。右旋の電波は1032~2072MHzに、左旋の電波が2224~3224MHzに変換。そして、テレビまで届けられます。従来のアンテナケーブルは2071MHzまで使える仕様で作られているので、3224MHzに対応したアンテナケーブルに取り替える必要があります。
混合器
混合器とは、BS・CSの電波とUHFの地デジの電波などを1本のアンテナケーブルにまとめる装置です。この装置は周波数特性を持っているため、新4K8K衛星放送に対応したものに交換が必要です。
ブースター
ブースターとは、電波を増幅して強くする装置です。アンテナで受信した電波が弱い時や複数のテレビに電波を分配して電波が弱くなった時に使います。このブースターも左旋の新しい電波に対応する必要があります。
分配器
分配器は、1本のアンテナケーブルから各部屋のテレビにテレビを分配する時に使われます。この装置も周波数帯域が仕様で定められており、新4K8K衛星放送に対応したものに交換する必要があります。
テレビ端子
壁面にあるテレビ端子も交換する必要があります。新4K8K衛星放送の左旋の電波は、無線LANや携帯電話の周波数帯と共用しており、相互に干渉する恐れがあるためです。電波を遮蔽するシールド性能の高いものに変える必要があるのです。
電波の遮蔽は、左旋の電波が通過する他の装置にも共通しています。電波干渉を起こさないためには、SHマーク(スーパーハイビジョン受信マーク)がある機器の選定をおすすめします。
分波器
分波器は壁面のテレビ端子からテレビの間に設置する装置です。壁面のテレビ端子からの1本のアンテナケーブルをテレビなどの「CS/BS端子」「UHF地デジ端子」の2つの入力信号にわける装置です。この装置も周波数特性や電波干渉の問題から、新4K8K衛星放送対応の製品に取り替える必要があります。
4Kテレビ・4Kチューナー
4K放送が開始される前に、4Kテレビを購入された方も多いのではないでしょうか。その頃に購入した4Kテレビは、画質は4K品質であっても4K放送を受信するチューナーが内蔵されていない場合もあります。そのような場合は、別途4Kチューナーを購入する必要があります。
対応テレビだけでは視聴できない4K放送
この記事では4K放送を観るためには、4Kテレビ以外にもさまざまな設備が必要になることをお伝えしてきました。戸建て住宅であれば、アンテナがひとつで、各部屋に複数のテレビのあるご家庭が多いかと思います。同じように各部屋で4K放送を観ようと思えば、ほぼ家の中にあるすべてのアンテナ設備を交換する必要があるでしょう。
また、4K放送をリビングだけで楽しむのであれば、新4K8K衛星放送アンテナから4Kテレビまで単独のアンテナケーブルを設置するだけで工事ができます。
この他にも、さまざまなニーズがあると思います。また、アンテナケーブルの配線は頻繁に変えるものではありません。ぜひ、アンテナ工事は将来性を考えたものにしてください。技術的に難しい部分もありますので、専門家に相談するとよいでしょう。最後までお読みくださり、ありがとうございます。