4K放送を楽しむ場合、新4K8K衛星放送に対応したアンテナケーブルに取り替える必要があります。この記事では、なぜ4K放送を楽しむためにアンテナケーブルの取り替えが必要になるのか、その理由を解説します。
また、4K放送の楽しみ方の違いで、アンテナケーブルなどの取り替え範囲が変わることもあるのです。それについても紹介しますので、ぜひ、最後までご覧ください。
4K放送を楽しむにはケーブルなどの取り替えが必要になることも
新4K8K衛星放送は、右旋(右旋円偏波)の左旋(左旋円偏波)の電波を使っています。このうち、右旋の電波は従来のアンテナ、ケーブル(同軸ケーブル)で受信できます。
しかし、左旋の電波に従来のアンテナは対応していません。また、アンテナからテレビまでのケーブルも対応していない場合があります。ここでは新4K8K衛星で4K放送をすべて楽しむために必要になるものを紹介します。
新4K8K衛星放送を観るために必要になるもの
画像引用:チャンネル一覧 | 一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)
新4K8K衛星の4K放送をすべて楽しむためには、次のものが必要になります。
4K8K対応アンテナ
4K8K放送に対応したBS/CS110度アンテナが必要になります。その理由は従来のBSアンテナでは右旋の電波は受信できますが、左旋の電波を受信できないからです。上の図のピンク色で示す部分が左旋の電波を利用しています。左旋の電波を受信するためには4K8K対応アンテナが必要になります。
4Kチューナー・4Kチューナー内蔵テレビ
テレビも4K放送に対応している必要があります。4Kテレビというと4K画質に対応したテレビをいいます。4Kチューナーが内蔵されていない場合もありますので、注意してください。4Kチューナーを内蔵したテレビには「BS 4K」「110度CS 4K」「BS 8K」の表示があります。
4Kチューナーが内蔵されていないテレビの場合、4Kチューナーを購入する必要があります。
新4K8K衛星放送に対応したケーブルなど
BS衛星・CS衛星からの4K放送は12GHzの電波で送信されます。この同じ電波を有効利用するために、右旋と左旋にわけて電波を送信しています。
従来の右旋のBS放送では、この12GHzの電波をアンテナケーブルに適した1032~2071MHzの電波信号に変換していました。
新4K8K衛星放送の左旋の電波は、アンテナケーブルの中で右旋の電波と混信しないように、2224~3224MHzの高い周波数に変換するようになりました。
このため、アンテナとテレビの間にあるアンテナケーブルや分配器などは、新4K8K衛星放送に対応したものに交換する必要があります。ケースにより交換範囲が異なります。次から具体的にみていきましょう。
4K放送を1台のテレビで観る場合
4K放送を観るのはリビングだけでよいという方の場合、上の図のように新4K8K対応アンテナとテレビまでのケーブルの工事で観られるようになります。手軽に4K8K放送を楽しみたい方にはオススメのケースです。
4K放送をいろいろな部屋で観る場合
複数の部屋で4K放送を楽しみたいという方の場合は施工の範囲が大きくなります。交換が必要になるものは以下のものです。
- 新4K8K衛星放送対応アンテナ
- 衛星ミキサー
- 分配器
- 直列ユニット
- セパレーター
- テレビ接続ケーブル
- 宅内同軸ケーブル
- アンテナプラグ
工事の範囲は大きくなりますが、将来的に4Kテレビが増えても対応可能です。また、新築やリフォームの際には、4K8K衛星放送に対応した機器の選定をオススメします。
4K放送でケーブルなどの取り替えが必要な理由
従来の右旋のBS放送では、アンテナからテレビまでの間は2071MHzの電波信号を通していました。新4K8K衛星放送の左旋では3224MHzという高い周波数を使用することになりました。3224MHzの電波信号に対応するため、アンテナとテレビの間にあるすべてのものを3224MHzに対応させる必要があるのです。
アンテナケーブル(同軸ケーブル)には、高い周波数ほど損失(減衰)が大きいという特性があります。そのため、3224MHzでも損失が少ないアンテナケーブルにする必要があるのです。また、アンテナケーブルは一般に太い方が少ない損失になります。適切なアンテナケーブル選びも重要です。
すべての4K8K放送を受信するためには、3224MHzの高い周波数に対応する必要があります。一般に同軸ケーブルは周波数が高くなると信号の減衰が大きくなります。そのため、同軸ケーブルを取り替える必要があるのです。
衛星ミキサーは、4K8K衛星放送と地上波デジタル放送などの電波を1つのケーブルにまとめる機器です。また、分配器はアンテナケーブルの信号を他の部屋のテレビにつながるアンテナケーブルに分配する役割があります。
4Kテレビには、「BS・110度入力端子」と「地デジタル入力端子」があります。セパレーターはこれらの端子にむけて、アンテナケーブルからの電波信号を分ける役割があるのです。
これらの機器は、周波数特性や仕様といった面から新4K8K衛星放送用に取り替える必要があるのです。
築年の浅い住宅では、すでに新4K8K衛星放送に対応できる4K放送に対応したアンテナケーブルが設置されているかも知れません。また、衛星ミキサーや分配器は天井裏に設置されていることが多く、お客さまご自身で確認することは大変でしょう。
ところで、アンテナ自体はベランダの手すりに取り付けることもできます。しかし、そこから4Kテレビのある部屋までアンテナケーブルを張るのは案外と大変な仕事です。
さらに、住宅の美観を考えると、壁面にアンテナを取り付けた方がよい場合もあります。また、各部屋で4K放送を観たいのであれば、アンテナケーブルに関して確認することは数多くあるのです。
現状のアンテナケーブルなどの状況を調査や、4K放送を楽しみたいと思われましたら、アンテナ工事の専門会社の電翔にお問合せされることをおすすめします。