家で過ごす時間が増えて、テレビやレコーダーを買い足した方も多いのではないでしょうか。新しい機器を取り付けると壁のアンテナ端子の数が足りなくなり、分配器を購入された方もいらっしゃるかも知れません。
今回は、分配器が原因でテレビが映らなくなるケースや分配器の正しい使い方について紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
分配器とは
参考:【テレビを見れるお部屋を増やす!】分配器設置の工事☆【埼玉県上尾市】 | アンテナBlog | 株式会社電翔
分配器とは、1つのアンテナケーブルからの信号を複数の装置へ分配する機器です。2分配の分配器だと、1つの信号をそのまま2つに分配。そのため、電波の強さは単純に2分の1になります。
分配器とよく似た分波器って
画像引用:分波器 入力・出力ケーブル付 | 製品情報 | DXアンテナ
分配器と似た名前のもので、「分波器」があります。分波器とは、1つのアンテナケーブルの「BS・CS放送+地上波デジタル放送」の電波を、周波数帯に応じて分岐させます。それぞれ「BS・CS放送」「地上波デジタル放送」の電波を別々に取り出すことが可能です。
分岐したアンテナケーブルをそれぞれテレビの「BS・CS110度デジタル」「地上デジタル」のアンテナ端子に接続します。
分配器を設置したらテレビが映らない
新たに分配器を追加したら、テレビが映らなくなった。いくつかのパターンがあります。代表的なものを紹介します。
アンテナレベルが低下した
分配器で電波を2つに分けると、電波が2分の1になるとお伝えしました。少々専門的になりますが、電波の電力が2分の1になるというのが正しい表現です。電波の世界ではデシベルという単位を使います。デシベルで表すと約3デシベル低下することとなります。
地上デジタル放送に使うアンテナケーブルでも約15mで3デシベル程度低下するので、極端に損失が増えるわけではありません。
分配器を設置したらテレビが映らなくなったというトラブルの場合、考えられることは次のことです。分配器を設置する前のアンテナレベルが、受信できるギリギリのレベルだった。そこに分配器を追加したことで損失が増えて、テレビが映らなくなった。
アンテナレベルの確認は、テレビをリモコンで操作することにより簡単にできます。下記の記事でアンテナレベルの確認方法を紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
分配器の接触が悪い
分配器は、アンテナケーブルをコネクタで接続します。コネクタが正しく接続されていなかったり、コネクタに緩みがあったりすると、接続損失が増えるのです。それにより、テレビが映らなくなることもあります。コネクタに緩みがないか調べてみてください。
BS・CS放送が映らない場合
BS・CS放送に使われる分配器には「1端子通電型」と「全端子通電型」があります。BS・CSアンテナは、テレビからの給電がないと動作しません。1端子通電型の分配器では給電しているテレビの電源を切ると、他のテレビではBS・CS放送が見られなくなります(※)。
※アンテナケーブルやテレビの構成により変わる場合もあります
まとめ|分配器を設置したらテレビが映らない
分配器を挿入すると確実にアンテナレベルは下がります。2分配であれば、電力は半分になります。そのため、2分配の分配器を直列に複数接続するより、3分配の分配器、4分配の分配器を使う方がオススメです。
また、分配器の端子はアンテナケーブルのコネクタを締め付ける形状になっています。接続に緩みがあると接続損失によりレベルが下がります。分配器に限らずアンテナ関係の機器のコネクタ端子は十分に締め付けることがポイントです。
BS・CS放送ではテレビからアンテナに電力を給電しています。基本的には給電しているテレビからしか、BS・CS放送は見られません。戸建て住宅で将来のテレビの構成がわからない場合は、「全端子通電型」の分配器を使用するのがオススメです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。