テレビアンテナといえば、魚の骨のようなアンテナをイメージする方が多いのではないかと思います。魚の骨のようなアンテナは、八木アンテナといいます。日本人の八木氏らが発明したことから、この名前になりました。
ところで最近では、八木アンテナと違う形をしたアンテナが登場しました。八木アンテナとは違い、縦に長い長方形の箱のような形をしたアンテナで、これがデザインアンテナです。名前の通り、建物の外壁となじむデザイン性の高さから施工数が増加しています。今回は失敗しないデザインアンテナの選び方を紹介します。
デザインアンテナとは
デザインアンテナと八木アンテナは、電波の受信方式がまったく異なります。デザインアンテナは長方形の形をしていますが、その中に八木アンテナが入っているわけではありません。薄い誘電体を用いて電波を受信するのです。
そのため、デザインアンテナはとても小型に製造されています。八木アンテナ26素子相当の受信性能を持つデザインアンテナの外形は、高さ約65cm・幅約25cm・厚さ約12cmととてもコンパクトです。八木アンテナであれば、長さが約150cmにもなります。
デザインアンテナのメリット
デザインアンテナのメリットは、住宅の壁面に設置できることです。ここではデザインアンテナのメリットをいくつか紹介します。
壁面への設置が可能
屋根ではなく、建物の壁面に取付が可能です。最近は太陽光発電パネルを設置される方も増えており、屋根に取り付けないアンテナの需要が高くなっています。また、デザインアンテナはボックス型のフォルムで、どんな住宅にもマッチします。
カラーバリエーションが豊富
デザインアンテナの色は「ウォームホワイト」「ベージュ」「ブラックブロンズ」「ブラック」などの中から選べます。建物の外壁と同系色のデザインアンテナを選べば、アンテナが目立つことはありません。
強い耐風性
デザインアンテナの耐風速は50m/sと、八木アンテナと比較しても高い設計になっています。また、建物の外壁に取り付ければ、風の影響を直接受けることが軽減されます。
屋根裏設置も可能
近年、テレビアンテナを屋根裏に設置する人が増えています。それは、テレビアンテナが直接風雨にさらされないからです。台風などの強風の影響を受けないことはもちろん、自然劣化の進行も遅くなります。
八木アンテナで屋根裏アンテナを設置している例もありますが、サイズが大きくなります。アンテナの向きの調整や取付材料に工夫が必要です。その点、デザインアンテナはもともと壁面に設置するように設計されているので、屋根裏の柱などへの取付が簡単です。また、サイズもコンパクトなので屋根裏設置に適しています。
失敗しないデザインアンテナの選び方
ここまでデザインアンテナのメリットを紹介しました。しかし、デザインアンテナにデメリットはないのでしょうか?ここでは失敗しないデザインアンテナの選び方を紹介します。
受信電界を確認する
デザインアンテナは26素子相当・ブースター内蔵のものも発売され、中・弱電界に対応しています。しかし、弱電界の中でもさらに弱い弱弱電界では使えません。事前にアンテナ工事の専門会社に電界強度を測定してもらう必要があります。
デザインアンテナで受信できないようであれば、より受信感度(利得)の高い高性能型八木アンテナを設置する場合もあります。
取り付ける壁面を確認する
デザインアンテナは、電波を受信する方向に取り付ける必要があります。もちろん、デザインアンテナ自体も左右60度程度調整可能になっています。しかし、アンテナを取り付ける壁の方向にテレビの電波塔が位置しないと受信できません。
建物の構造上、電波の方向にアンテナを取り付けられない。他の構造物との位置関係で電波を受信しにくい場合もあります。これらの問題は、取付方法の工夫で解決できることがほとんどです。しかし、デザインアンテナを使いたいと思ったら、アンテナ工事の専門会社に下見してもらうのが最適です。
屋根裏設置の場合はさらに強い受信電界が必要
屋根裏アンテナにはデザインアンテナがコンパクトで設置しやすいと説明しました。しかし、電波は建物の壁などの遮蔽物で減衰します。そのため、デザインアンテナを屋根裏部屋に設置しようとお考えの場合は、事前に電界強度測定をアンテナ工事の専門会社に依頼してください。
BS・CS放送は映らない
今まで説明してきたように従来の八木アンテナとは形も原理もまったく違うデザインアンテナです。従来のアンテナと形が違うので、時々誤解されるのですが、BS放送・CS放送を受信することはできません。BS放送・CS放送を受信する場合は、従来通りBS・110度CS対応のパラボラアンテナが必要です。
まとめ|失敗しないデザインアンテナの選び方
デザインアンテナには、住宅の壁面にもなじみがよく、デザイン性が優れたアンテナです。アンテナ自体の性能も高く、従来の八木アンテナに匹敵するものもあり、アンテナ選びの有力な候補です。
しかし、弱電界地域・弱弱電界地域と呼ばれる電波の弱い地域では、受信する性能(利得)が不足する場合もあります。また、設置する壁面も電波塔の方向を向いていなければなりません。デザインアンテナを屋根裏に設置する場合、建物で電波が減衰することも考慮が必要です。
デザインアンテナをご検討でしたら、まずアンテナ工事の専門会社に相談することをオススメします。電界強度の測定はもとより、電界強度や地上波デジタル放送の品質であるエラーの有無まで専用の測定器で測定可能です。施工実績が豊富なので、壁面取付に際しても適切なアドバイスがもらえます。
以下のページでは、アンテナ工事の専門会社電翔がデザインアンテナなどを詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてください。