我が国日本では、街並みの景観を守る目的で、各地で様々なルールが設けられています。代表的な例としては、「景観地区」という景観法に基づいて、それぞれの市町村ベースで決定できるルールです。
テレビアンテナを設置する際にも、景観地区に指定されているエリアのルールに従う必要がありますが、こちらに関しては次の別記事で詳しく解説しています。
そして今回は、景観地区よりも小規模な自治体ベースで設けられたルールである「地区計画」におけるアンテナ工事について、湘南桂台まちづくり指針を例に解説しますので、ぜひご参考になさってください。
※湘南桂台まちづくり指針=神奈川県横浜市栄区に設けられている地区計画
湘南桂台まちづくり指針のアンテナ設置のルール
まずは、湘南桂台まちづくり指針として条例に含まれているテレビアンテナ設置に関するルールを確認してみると、次のような条文があります。
・屋上にアンテナを設置しないでください。
・壁面に設置する平面式アンテナは設置可能。壁面から立ち上がる屋上アンテナ及びサイズが著しく大きく景観を阻害する平面式アンテナについてはこの限りではありません。出典:湘南桂台まちづくり指針
この条例文については、抽象的な表現も含まれていて、分かりにくい部分もあるかもしれないので、もう少し掘り下げて詳しく解説します。
湘南桂台まちづくり指針の屋上アンテナ設置禁止について
「屋上にアンテナを設置しないでください」ということは、景観を損ねる恐れがあるから、住宅などの物件の頭頂部をアンテナで目立たせてはならないと解釈できます。
また、この表現ですと「屋上」とありますが、おそらく屋根上のテレビアンテナ設置も禁止されている可能性が高いです。
アンテナは安定したテレビ視聴を目的で、感度の強いテレビ電波を受信するために高所に設置した方が良いとされていますが、湘南桂台まちづくり指針のように、地区によっては制限されています。
では、地区計画が設定されているエリアではアンテナを設置できないのか?これについては、次の対案が条文に記載されています。
湘南桂台まちづくり指針の平面式アンテナ設置可能について
屋上へのアンテナ設置は不可とされている湘南桂台まちづくり指針ですが、先述のとおり2文目に「壁面に設置する平面式アンテナは設置可能」とあります。
平面式アンテナの詳細は後述するとして、物件の外壁になら設置しても良いと解釈可能です。しかし、注意しなければならないのが、そのあとの「壁面から立ち上がる屋上アンテナ及びサイズが著しく大きく景観を阻害する平面式アンテナについてはこの限りではありません」の記載文。
これは、例え外壁であってもサイドベースなどの金具を使って高さをつけて設置してはならないことを意味しています。
極端な話、外壁に溶け込んでいるかのように目立たせないアンテナ設置は良いが、少しでも景観を阻害する恐れのある取り付け方は認められていないというわけです。
なかなか厳しいルールに思われますが、より具体的に湘南桂台まちづくり指針で認められているアンテナ工事とそうでない例をご紹介します。
湘南桂台まちづくり指針におけるアンテナ工事の可否例
それでは、湘南桂台まちづくり指針におけるアンテナ工事の可否例をそれぞれ、詳しくみてみましょう。
湘南桂台まちづくり指針で許可されているアンテナ工事
先ほどの条文を振り返ってみると平面式アンテナの外壁設置であれば認められていますが、この平面式アンテナを指すのが、通称デザインアンテナと呼ばれている地デジ用のテレビアンテナです。
画像引用元:株式会社電翔
一般的にビス止めした壁面取付金具にアンテナ本体を固定する手法でとりつけられますが、スリムでコンパクトな形状のため、目立ちにくい特徴があります。
また、カラーはホワイト、ブラック、ベージュ、ブラウンなど4色展開されているため、建物の色合いに合わせれば、外観に溶け込ませるような演出も可能です。
なお、条文を見てみると、平面式アンテナの壁面設置以外認められていないニュアンスにとれますが、電波の感度が極端に強い、強電界地域と呼ばれるエリアであれば、屋内に設置できる場合があります。
代表的なのが、デッドスペースになりがちな屋根裏部屋への設置で、外観から完全に隠れるため、全く景観を阻害しません。
テレビアンテナの屋根裏設置工事については、イチオシのアンテナ工事専門店の電翔が得意としていますので、ご興味あればご相談してみてはいかがでしょうか?
湘南桂台まちづくり指針で許可されていないアンテナ工事
一方、湘南桂台まちづくり指針で許可されていないアンテナ工事は、前項でご紹介した方法以外の設置方法全てを指すことになるでしょう。
平面式アンテナ以外には、骨型タイプの八木式と呼ばれているUHFアンテナや地デジ用の第3世代として登場したポール形状のユニコーンアンテナがあります。
ちなみに、湘南桂台まちづくり指針はユニコーンアンテナの発売以前に制定されたルールで、最新式のアンテナなので設置が認められても良さそうですが、立ち上げスタイルが一般的な設置方法のため、難しいかもしれません。
また、ここまでは地デジ用アンテナのみ触れていますが、衛星放送を視聴するには円盤型のパラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)が必要です。湘南桂台まちづくり指針の条文には記述は見当たらず、平面式アンテナのみを認めていることを考えれば、おそらく衛星放送用アンテナに関しては設置不可と思われます。
なお、衛星放送用のテレビアンテナは現状屋内に設置して電波を受信できないため、視聴するにはアンテナ以外の方法が必要です。
光テレビやケーブルテレビを契約することでアンテナ不要で衛星放送も視聴できるようになりますが、別途月額料金がかかります。
いずれにせよ、条例で決まっている以上、ルールに基づいたアンテナ設置工事が必要です。
もし、地区計画におけるアンテナ工事にご不安なことがあれば、専門業者の電翔へのご相談をおすすめします。
まとめ:地区計画におけるアンテナ工事について
以上、地区計画におけるアンテナ工事について解説してきました。
ご紹介した湘南桂台まちづくり指針では、デザインアンテナの壁面取付金具を使った外壁設置のみ認められていて、その他の方法では不可能です。
ただし、例外として地デジアンテナの屋内設置であれば外観を損ねずテレビ視聴を実現できる可能性があります。
そして、もし地区計画でアンテナ工事をお考えであれば、専門業者の電翔をご利用がおすすめです。
ぜひご参考になさってください。