4K放送という言葉をよく聞くようになりました。ところで、4K放送とは、具体的にどんな放送なのでしょうか。この記事では4K放送がどんなものであるか、4K放送に使われている技術から詳細について説明します。また、4K放送を受信できる4Kテレビやアンテナなども解説します。
高精細で臨場感あふれる4Kテレビをぜひ楽しんでいただきたいと思います。この記事を読めば4K放送の特長がわかります。ぜひ、最後までご覧ください。
4K放送とはどんなもの？
4K放送とは新4K8K衛星から送信される放送です。新4K8K衛星放送とはBS・110°CSから送信されています。また、さまざまな技術を使い、今までの地上波デジタル放送（ハイビジョン）よりも高画質で臨場感のある映像を放送しています。
4K放送の解像度
画像出典：総務省「4K8Kとは 4K8Kの魅力」
4K放送の一番の特徴は、現行の地上波デジタル放送（ハイビジョン）を超える高解像度の画質です。4K放送は地上波デジタルの4倍の画素数、NHKが放送している8K放送では16倍の画素数になります。
この「K」という単位ですが、水平画素数を示しており、1Kが1000画素という意味です。地上波デジタル放送は2Kです。
2K：水平1920×垂直1080画素
4K：水平3840×垂直2160画素
8K：水平7860×垂直4320画素
それでは画素数が多いことでどういうメリットがあるのでしょうか。ひとつは高精細でこまやかな映像が再生できることです。画素数が多いことにより地上波デジタル放送では表現できなかったなめらかな映像が楽しめます。
解像度以外の4K放送技術
4K放送の特徴は、画素数や解像度の高さでよく説明されます。しかし、解像度以外にも多くの新しい技術が使われており、よりリアルな映像を再現しているのです。ここではその技術のいくつかを紹介します。
広色域化
画像出典：総務省「4K8Kとは 4K8Kの魅力」
広色域化技術により、表現可能な色の範囲が大幅に拡大しました。従来の地上波デジタル放送では映りにくかった色が、よりリアルに再現できるようになりました。
画像の高速表示
画像出典：総務省「4K8Kとは 4K8Kの魅力」
地上波デジタル放送では1秒に30コマの表示をしています。4K放送では最大で120コマまで高速表示が可能。動きの速いスポーツの映像がなめらかに再生できます。
多階調表現
画像出典：総務省「4K8Kとは 4K8Kの魅力」
明るさや色の変化の階調が地上波デジタル放送に比べて大幅に増えました。地上波デジタル放送では約1600万階調でしたが、4K放送では約10億階調になったのです。多階調表現により、より自然な映像が表現できるようになりました。
輝度（HDR技術）
画像出典：総務省「4K8Kとは 4K8Kの魅力」
HDR（ハイダイナミックレンジ）に対応し、映像の本来の明るさや色、コントラストを再現できるようになりました。HDRによりメリハリのあるリアルな映像が楽しめます。
音響の向上
4K放送では5.1チャンネルサラウンド、8K放送では22.2チャンネルのマルチサラウンドに対応しました。ライブ映像などは、まるで会場にいるかのような臨場感で楽しめます。
4K放送のメリット
4K放送のこれらの技術により、4Kテレビでは今までよりも高画質で鮮明な映像を楽しめます。とくに4K放送以前のテレビでは、スポーツなど動きの速い映像を観ると、目に負担がかかる傾向もありました。4Kテレビは解像度・画素数が高いため、比較的目が疲れにくいといわれています。
また、4Kテレビには「アップコンバート」という機能がついています。この機能は、地上波デジタル放送やDVDなど4Kに満たない低い解像度の映像を4K相当の映像に変換する技術です。
4K放送を受信できるテレビ
4K放送を観ようと思った時に1点注意して欲しいことがあります。それは4K放送がスタートする前から4Kテレビが製造販売されていたことです。
この頃に製造された4Kテレビは4K放送の規格が確定していなかったので、4Kチューナーを内蔵していません。つまり、テレビの画面は4K画質に対応しているのですが、そのままでは4K放送が観られないのです。
このような4Kチューナーを内蔵していない4Kテレビは、4Kチューナーを接続することで4K放送を楽しめます。
最近、販売されている4Kテレビは4Kチューナー内蔵がほとんどです。多くの機種では番組を録画できるようにハードディスク録画に対応しています。また、裏番組を録画するには4Kチューナーを2つ以上搭載したモデルがおすすめです。
4K放送を受信するためにテレビ以外に必要なもの
実は4Kテレビを買ってきただけでは、すべての4K放送のチャンネルを観られません。従来のBSデジタル放送のアンテナではBS右旋（右旋円偏波）のみに対応しています。4K放送では、BS右旋に加え、BS左旋（左旋円偏波）・110°CS左旋の電波を使っているからです。
すべての4K放送のチャンネルを受信するためには「新4K8K衛星放送アンテナ」が必要です。また、左旋の電波はアンテナで受信した電波を高い周波数の信号に変換します。この信号は従来のアンテナケーブルで使えないため、アンテナケーブルなどの取り替えも必要になります。
詳細については下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
4K放送をぜひお楽しみください
4K放送は高解像度が最大の特長です。さらに「広色域化」「画像の高速表示」「多階調表現」「輝度（HDR技術）」「音響の向上」などさまざまな技術が、より臨場感を高めています。さらに、NHK BS 8Kでは8K放送もしています。8K放送は、4K放送の4倍、地上波デジタル放送の16倍という超高解像度です。
これから4K放送を観たいという人も、テレビを買い換えようと思っている人も、4Kテレビを選んだ方がよいでしょう。
しかし、4K放送のすべてのチャンネルを観ようと思えば、4Kテレビだけでなく、新4K8K衛星放送アンテナなどのアンテナ工事が必要です。そして、ひとり暮らしの人が4K放送を4Kテレビ1台で楽しむのと、家族で4K放送を観る方ではアンテナ工事の範囲が変わってきます。また、現在のアンテナケーブルの状態を調査することも必要です。
4Kテレビを購入される際は、アンテナ工事も必要になることを覚えておいてください。また、テレビの視聴スタイルや既設のアンテナケーブルの状態で工事範囲や費用が大きく変わってきます。
4Kテレビを購入する時や購入する前に、アンテナ工事の専門家に相談することがおすすめです。ライフスタイルや家庭ごとに違うアンテナケーブルの状況から、最適な提案がえられます。
