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BSの4Kアンテナを室内に設置して確実に番組を見る方法を解説します。
4K放送を含む衛星放送用のアンテナは、BS/CSアンテナやパラボラアンテナと呼ばれていて、感度の強い電波を受信するために屋外に設置するのが一般的ですが、室内用も販売されています。
形状は屋外に設置するアンテナと同じで、室内用にアレンジし、スタンドを取り付けた置き型タイプです。
ただし、どんな環境でも使用できるとは限りません。4K放送などの衛星放送を室内アンテナで視聴するには、次の条件をクリアする必要があります。
BS4Kアンテナを室内に設置する最低条件として、電波を受信できる環境があることです。つまり、室内でも屋外と同等以上の電波が受信できなければ、例えアンテナを設置しても番組はみられません。
また、4K放送など衛星放送の電波は地デジ電波に比べて、シビアで少しでもアンテナの位置がずれてしまうと、映像が映らなくなってしまうのです。
このため、室内用のBS4Kアンテナの製品注意事項には、「基本的に室内設置は推奨していません」との文言が明記されていていますので、必ずしも電波を受信できるとは限らないことを十分、理解しておきましょう。
室内にBS4Kアンテナを設置する住宅の周辺環境にテレビ電波を遮る障害物が少ないことも重要な条件です。これは室内に限らず屋内に設置する場合にも当てはまり、テレビ電波の感度が強いエリアであっても、建物や樹木が障害物になって届きにくくなってしまう場合が多々あります。
当然、室内は屋外よりも電波レベルが弱くなりますので、快適に4K放送を視聴するには極力、住宅の周辺に遮蔽物が少ない環境が望ましいです。
4K放送などの衛星放送の電波を感度良く受信するためには、出窓など窓際で届きやすい場所へアンテナを設置するのが望ましいです。
しかし、窓やサッシの種類、厚さによってテレビ電波が透過せず受信できないことも。例えば、寒冷地仕様の二重サッシが使われている物件の場合、電波が窓の先に進めず、アンテナで受信が難しいケースもあります。
特に携帯電話の電波が家の中は悪いのに、外に出ると良くなる物件は電波が届きにくい構造になっているため、テレビ電波も届きにくいかもしれません。
このため、住宅自体が電波を屋内まで届きやすい構造であることも、室内アンテナで4K放送を見るための見逃せない条件といえます。
室内にBS4Kアンテナを設置してテレビを見る場合、電波を正しく受信するための方角と仰角を適切に位置調整する必要があります。それぞれ詳しく、次のようにまとめました。
BS4Kアンテナは、BS・110度CSに該当し、南西の方角に合わせます。室内に設置する場合は、可能な限り南西に近い部屋を選び、窓際など少しでも受信レベルが高い位置が望ましいです。
もちろん、窓の先に建物や樹木などの遮蔽物が少なければ少ないほど、受信感度は高くなります。
BS4Kアンテナの仰角は、前項の方角よりも調整がシビアでエリアごとに異なります。参考値として、地域ごとのアンテナを調整すべき仰角を表にまとめました。
■北海道エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
札幌 | 221.7 | 31.2 |
旭川 | 222.5 | 30.1 |
稚内 | 220.9 | 29.1 |
函館 | 221.7 | 32.6 |
■東北エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
青森 | 222.3 | 33.3 |
盛岡 | 223.4 | 34.0 |
仙台 | 224.0 | 35.3 |
秋田 | 222.2 | 34.5 |
山形 | 223.3 | 35.7 |
福島 | 223.9 | 35.9 |
■関東エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
水戸 | 224.8 | 37.0 |
宇都宮 | 224.0 | 37.2 |
前橋 | 223.1 | 37.9 |
大宮 | 224.1 | 37.9 |
千葉 | 224.9 | 37.8 |
東京 | 224.4 | 38.0 |
横浜 | 224.5 | 38.2 |
■甲信越エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
新潟 | 222.1 | 36.6 |
甲府 | 223.1 | 38.8 |
長野 | 221.9 | 38.2 |
■北陸エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
富山 | 220.7 | 38.7 |
金沢 | 220.1 | 39.1 |
福井 | 219.9 | 39.8 |
■東海エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
岐阜 | 223.4 | 34.0 |
静岡 | 223.3 | 39.4 |
名古屋 | 221.4 | 40.2 |
津 | 221.2 | 40.8 |
大津 | 220.2 | 40.9 |
■近畿エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
京都 | 220.1 | 41.0 |
大阪 | 220.0 | 41.4 |
神戸 | 219.6 | 41.6 |
奈良 | 220.4 | 41.2 |
和歌山 | 219.9 | 42.0 |
■中国エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
鳥取 | 217.8 | 41.4 |
松江 | 216.3 | 42.1 |
岡山 | 218.0 | 42.4 |
広島 | 216.2 | 43.4 |
山口 | 215.0 | 44.1 |
■四国エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
徳島 | 219.2 | 42.5 |
高松 | 218.4 | 42.5 |
高知 | 218.2 | 43.5 |
■九州・沖縄エリア
エリア名 | 方位角 | 仰角 |
福岡 | 213.9 | 45.2 |
佐賀 | 214.0 | 45.6 |
長崎 | 213.8 | 46.2 |
熊本 | 215.0 | 45.8 |
大分 | 215.8 | 44.9 |
宮崎 | 216.6 | 46.2 |
鹿児島 | 215.6 | 47.0 |
那覇 | 215.8 | 53.6 |
ここで仰角をできるだけ正確に調整するために、便利なスマホ用アプリをご紹介しておきます。
BSコンパスというアプリを使えば、お住いのエリアの仰角の数値を算出できて便利です。
▼BSコンパスのダウンロードはこちらから▼
BS4Kアンテナを室内に設置する方法は、ここまで解説してきたとおりですが、やはり環境によってテレビが見られる可能性が低いケースも十分想定されます。そこで、確実に4K放送を見るための、アンテナ設置方法もご紹介します。
それは、なんといっても屋外へのBS4Kアンテナの設置です。室内よりも確実に電波受信が期待できます。主なおすすめの設置場所は次の通りです。
屋根上は、高所で住宅地など建物が密集している場所でもテレビ電波にとっての障害物が少なく4K放送などの衛星放送の電波のみならず、地デジ電波も受信しやすい場所です。
よくある設置スタイルとしては、土台の屋根馬に支柱(マスト)を取り付けて地デジ用UHFアンテナと衛星放送用BS/CSアンテナをセットで設置することが多いです。
ただし、設置条件は屋根馬の設置ができる屋根形状であることのため、難しい場合は他の方法でカバーできます。
ベランダやバルコニーもBS4Kアンテナの設置場所に適していて、南西側に配置されている物件も多いです。
また、戸建住宅に限らず、マンションやアパートなどの集合住宅のベランダも設置場所としてよく選ばれます。
設置方法としては、ベランダの手すりに像鼻金具を取り付けてBS4Kアンテナを固定することが多いですが、外からの見た目が気になる場合は、内側の外壁に隠くれるような取り付けも可能です。
外壁は、地デジ用のデザインアンテナの設置場所として選ぶことが多いですが、BS4Kアンテナも取り付けられます。
サイドベース金具を使ってアンテナ本体を固定する設置方法が多いですが、位置が低くてテレビ電波の感度が弱い場合は、同じ方法で屋根の破風板に設置可能です。
最後にBS4Kアンテナの設置工事の費用について電翔の参考価格を例にご案内します。
BS4Kアンテナ単体の設置であれば、約25,000円~工事を承っております。その他、ブースターなどの部材類の設置料金は次の通りです。
U/Bブースター(アンテナ新設時) | ¥22,000〜 地デジとBS・CS放送の電波が弱い場合、電波を増幅する機械です。 |
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U/Bブースター交換 | ¥36,300 |
BS/CSアンテナ(ブラック色) | ¥5,500~ |
BS/CSアンテナ(穴あき) | ¥16,500~ |
分波器 | ¥3,300~ |
分配器 | ¥5,500~ アンテナから受信した電波を各お部屋(各テレビ)に分ける機器です。屋外用、屋内用があります。 |
正確な金額は、現地調査の上、お見積もりをお出しいたします。ご利用をご希望でしたら、お気軽にお問合せくださいませ。
以上、BS4Kアンテナの室内設置について方向とともに解説しました。
まとめますと、室内であっても電波を視聴可能レベルで受信できる環境下であれば、設置できます。
その際の方向は、南西のエリアごとに指定した仰角で正しく調整することで視聴可能です。
ただし、室内はどうしても電波の感度が弱くなることが多いため、屋根上、ベランダ、外壁といった屋外への設置を推奨しています。
そして、BS4Kアンテナの設置工事が必要でしたら、専門店の電翔へお任せくださいませ。皆様からのお問合せ、心よりお待ちしております。